何を描くべきか、どうして分かるのか。丁寧に仕事をするなら、最初はまだ分かりません。物語を最後まで、複数回、筋以上のものに注意して読むまでは。
あらすじ、ジャンルの条件、比較対象のカバーだけでも絵は作れます。市場性はあっても、別の本と交換可能なものになりがちです。「このジャンルはどう見えるか」には答えても、「この物語には何があるか」には答えません。
イラストのために読むとは、物語の構造を探すことです。繰り返す像、緊張とともに戻る色、場所や物、文章の感情温度を追います。それらは要約には入りません。
そうして初めて、調査は装飾ではなくなります。反復する象徴の本当の歴史と意味を調べ、ただ美しい資料を選ぶことから離れます。そこに装飾と解釈の違いがあります。
そこから空気、色彩世界、装飾語彙という規則が生まれます。時間はかかりますが、ほかの絵ではその本に属せないと思える、必然的なカバーや本文へつながります。
